― 神宮式年遷宮とは ―
伊勢の神宮では、20年に一度御社殿や調度品等すべてのものを新しく造りかえるお祭りが行われます。
これを「神宮式年遷宮」といい、通称 “御遷宮”(ごせんぐう)といわれています。ここでは、前回行われた “御遷宮”(平成25年)について紹介しています。
平成25年10月2日「皇大神宮」(内宮)、10月5日「豊受大神宮」(外宮)で「遷御の儀」が斎行されました。
ここでは、平成17年から準備が始まり25年に斎行されました「第62回の御遷宮」の諸祭・諸行事を中心に掲載しておりますので、次回行われるであろう”第63回” のご参考になさってください。

平成21年11月3日
平成25年の遷御(せんぎょ)に先立ち、晴天の下 新造になった「宇治橋」の渡始式(わたりはじめしき)が斎行されました。

平成17年6月8日~10日
長野県と岐阜県の木曾国有林において、御神木の伐採式が行われました。内宮、外宮両宮の御神木は伊勢までの道中、沢山の人々に奉曳され無事納められました。
← H17.6.5 岐阜県での伐採式の様子です。
木曾の杣人たちの手によって伝統の技が披露されました

平成17年6月8日~10日
長野県と岐阜県で伐採された御神木「御樋代木」(みひしろぎ)が3日間かけて伊勢まで奉曳される「御樋代木奉迎送」の行事が行われ、桑名~四日市~津の三か所で様々な郷土芸能が披露され、沿道には大勢の方がお出迎え・お送りを行いました。
← 内宮・外宮両宮の御神木が三重県入りし、桑名の七里の渡し近くで沢山の人々によって奉曳されている様子。
伊勢の神宮とは、歴代天皇のご祖先をお祀りしています。式名称は『神宮』
神宮は、合わせて125のお宮から成り立っていて、「内宮」(ないくう)と「外宮」(げくう)を正宮(しょうぐう)といい、私たちが一般に伊勢神宮と言ってお参りしているお宮です。
「内宮」は、正式名称「皇大神宮」(こうたいじんぐう)といい、日本の親神とされ、すべての世界に光を与えてくれる太陽神『天照大御神』(あまてらすおおみかみ)さまをお祀りしています。
「外宮」は「豊受大神宮」(とようけだいじんぐう)いい、衣食住をつかさどる産業の神さま『豊受大御神』(とようけのおおみかみ)さまをお祀りしています。その他に別宮(べつぐう)・摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)・所管社(しょかんしゃ)といわれるお宮があり、全部で125あります。
別宮の代表的なものは、「荒祭宮」あらまつりのみや)・「瀧原宮」(たきはらのみや)・「伊雑宮」(いざわのみや)・「月讀宮」(つきよみのみや)があります。
詳しくは、神宮司庁のホームページを参考にして下さい。
「遷宮」とは、新しいお宮を造替し、御装束・神宝も新しくして大御神さまにお遷りを願う大祭で、「式年」とは定めた年という意味です。
20年に一度とすることは、今から1300年前に第40代天武天皇がお定めになりました。
次の持統天皇4年(690)に第1回式年遷宮が行われて以来、戦国時代に一時中断がありましたが、伝統を守って20年毎に繰り返され、第62回目が平成25年の秋に執り行われました。
20年という期間は、一つの区切りの年でもあります。
掘立柱に萱の屋根という素木造の社殿の尊厳さを保つためにも20年が最もふさわしく、また伝統技術を継承するためにも合理的な年数です。
常に新しく、みずみずしくあって欲しいという願いと、昔から永い年月受け継がれた技法を、そのまま次の世代へ伝えていきたいということから、20年という年限が定められたのではないでしょうか?